マーケットインとプロダクトアウト

マーケットインとプロダクトアウト

飲食業というのは難しい業態というのは誰でも聞く話だ。じゃあなんでこんなにも多くの人がやっているのだろう?

店を持つのが夢だったから?

自分の居場所を作りたいから?
好きな食事、お酒で客を喜ばしたいから?

全部よくある話でその動機が間違っている訳ではない。ただ、多くの人が夢見て目指し、そのほとんどの人がうまくいかず店をたたむことになる、それが飲食業界である事もまた事実だ。

個人店舗でなおかつ飲食に夢があればある人であるほど「俺が作りたい店」を作る傾向があり、周辺環境やトレンド、競合状況に関してなどの経営にクリティカルな情報を無視してしまう傾向にあるという。

夢が先行してビジネスのことを考えず店をたたんだ人の話や、いかに利益が薄い業態であるかといった事実は共同経営する予定だった人からも耳がタコになるほど聞いていた。だから飲食店を個人の趣味嗜好ばかりを優先してやってはいけないという事はわかっていたし、周りに必要とされる店を用意する事の重要性も知っていたつもりだ。

話はそれるが、自分の嗜好で判断しすぎてしまう、という事はマーケティングの世界でもよくある。マーケターや経営者が自分のイメージで宣伝先のメディアを決めてしまい自分の知らないメディアには発注しない、というような事だ。その商品のターゲット層が明らかにその発注者とかけ離れていたとしても、、。


電通のIC局にいた2007年頃の話、僕はガラケーのSNSサイトのモバゲータウンの担当だった。ガラケー全盛期の当時のモバゲーはまだポータルサイトを目指しいた頃で、アバターを武器にものすごい勢いで伸びていた。僕はその可能性を目の当たりにし、ありとあらゆるクライアントに提案しまくっていた。自身も本気ではまり、毎日何時間もモバゲータウンで時間を過ごした。そこで広がる10代の子達の反応とエンゲージの強烈さは当時20代中盤だった僕には衝撃的だった。

ただ提案する企業は口を揃えて「モバゲーなんてしらないから発注しない」というばかり。そんなに流行っているのだったら、と、ようやく決まったのは新しいもの好きのコカ・コーラ社。1500万円の広告費をもらい、ファンタの企画を作ったらそれが大当たりをした、という経験がある。 

 
その時もあきらかにモバゲーは十代の中では流行っていた。ただ広告主の宣伝部のおじさん達が自分の価値観で考え、目の前の数字とデータを無視してしただけ。

その経験があったからこそ、自分の趣味嗜好で商品を決めてしまうすマーケットインの考えではなく、何が求められているかを知ったうえでそれを出す、プロダクトアウトの考え方を今もすべてのビジネスの局面で心がけているつもりだ。

今回のプロダクトである、店舗の場所は初台北口徒歩2分。オペラシティーから一本入った住宅街で人通りはない。広さは45平米。ホテルとランドリーが併設。施工にかけられる予算は300万円。かけられる時間も大してないし、飲食なんてずぶの素人。この条件下の最大公約数を求めるように業態を絞り込まなければならなかった。

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